2007/05/07

子供の頃

3〜4歳の頃、雨で家の入り口のガラス戸が曇ると、指で絵を描いた。ガラスの曇りが取れると絵が消えるので悲しかったが、再び曇るとまた絵が浮かび上がったりするのが面白かった。

子供の頃、夜、他人の家の窓から見える景色を見ると、なんだかわからないけど(今思えば)もの凄く郷愁に似たような不思議な感情が湧いた。デバガメ趣味ではない。大概はその部屋の天井や壁、蛍光灯ぐらいしか見えなかったが、そこの住人の生活に思いを馳せ、居てもたってもいられないぐらい切ない気持ちになった。
小さい頃から度々そんな気持ちにとらわれたが自分が夜の窓の灯りに凄く惹かれることをはっきり認識したのは中学の頃だった。

そういえば、その頃夜中にきこえてくる工場の音にもせつなさを感じていた。高校ぐらいに一度、その音の源をつきとめたくて夜中に街を彷徨った事がある。音の源は家からそんなに遠くない24時間稼働している工場だった。工場の中は緑っぽい電気で照らされていて、大きな機械が設置されていた(ように思う)。作業服を着た人が何人か仕事をしていた。自分は大阪の工場街で育った。

雨の音を聴きながらそんなことを思い出した。

自分の写真の原点は夜の光(特に窓の灯り)と雨景だと思う。
on the road

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